かなり欠落しているけど、とりあえずね(^^;)/
映画で超有名な『汚れなき悪戯』だけど、何度か映像化されている。最も有名なのは1955年のスペイン映画、1991年にはイタリアでも製作された。アニメにもなったし、最近ぢゃメキシコが舞台になった映画もあるのかな(^^?)
この物語を日本を舞台にして描いてみたい。フランシスコ会の修道院で男の子の捨て子拾って、諸事情から修道士が育てることになり、やがて物置小屋の屋根裏の大男に・・・
なんて展開には、ならない。
修道院ではなく、道場を有する禅寺。時代も現代。
- マルセリーノ
- 正人(まさと)、やんちゃで悪戯好き。5,6歳くらいになっている。
- マニュエル
- 慎士(しんじ)、正人と同い年で仲の良い友達。
- 修道院長
- 老師、高齢だが意気軒昂。80代後半。
- おかゆさん
- 典座、離婚経験があり、子供たちに会えない状況にある。40代。
- 具合悪いさん
- 老典座、高齢で寝込んでいることが多い。90代前半。
- 門番さん
- 求浄(ぐじょう)、東西霊性交流会の関係で、フランシスコ会の修道院から派遣された司祭の資格のある修道士。30代後半。
- 門番さんの相棒
- 導照(どうしょう)、求浄とはなぜか相性が良く、托鉢にもコンビで行くことが多い。寺の跡継ぎ。20代後半。
この道場は小さい。老師を含めても10人しかいない。
求浄と導照が托鉢に出かけている途中で、巨大な地震に遭遇する。急いで寺に戻るが、瓦が落ちてきて近づけなかった。近くに避難していると、強い余震があり、木造のアパートが倒壊した。中から赤ん坊の泣き声がした。求浄と導照は、その赤ん坊を救出した。傍らには、若い男女がいたが、既に絶命していた。
あとで分かったのだが、この若い男女は赤ん坊の親ではなく、学生ボランティアだった。倒壊したアパートで生存者を探して、被害に遭ったようだった。倒壊したアパートには高齢者しか住んでおらず、結局、赤ん坊の親は分からなかった。
修行僧たちは、修行の妨げになるので、赤ん坊を施設に預けようとするが、地震直後の混乱で、どこも引きうけてくれない。仕方ない、寺でしばらく預かることにした。
だが、寺は男所帯だし、地震で多数の家屋が倒壊して、檀家にも助けを求められない。それでも、幸運にも草刈用にヤギを買っている檀家があり、それもメスで子供を生んだばかりだったので、その乳を分けてもらい、赤ん坊に与えた。
正人は、やんちゃ盛りとなった。しかし、修行僧たちは、心配だった。母親のいない環境で育つことを・・・
正人は、檀家の息子、慎士と友達になる。しんちゃんと呼んでいた。正人は、慎士の家族を羨ましく思うようになる。
心配した求浄と導照は、托鉢に正人を連れていった。最初こそちゃんとくっついてきた正人だったが、飽きてきたのか縁日の出店の中に消えていった。それから悪戯が発覚して、大騒ぎに・・・
それでも、愛くるしい小坊主ってことで、正人は街の人気者になった。
正人は修行僧から近づいてはいけないと言われていた池に、慎士を誘って遊びにいった。ザリガニ釣りに興じていた。正人は大きなザリガニを釣り上げたところで、覗き込んでいた慎士が池に落ちた。とっさに正人は、池に飛び込んで慎士を池から出した。慎士は大声で泣き出した。正人は力尽きて、池に落ちていった。
慎士の泣き声に気づいた修行僧たちが、池から正人を上げた。まだ、息があった。
「しんちゃん、大丈夫?」
「あぁ、大丈夫だよ。安心して。」
それを聞いた正人は、安らかに笑みを浮かべて死んでしまった。
人気者の正人の死は、街中の悲しみとなった。そして誰からともなく、正人を模した地蔵を街のあちらこちらに建てた。
カラオケボックスには、マイク片手のカラオケ地蔵。ガソリンスタンドには、給油ホースを持った給油地蔵。バッティングセンターには、バットを担いだ野球地蔵。学習塾にメガネをかけて読み書きする、勉強地蔵・・・
冒頭、『汚れなき悪戯』の「マルセリーノの唄」が流れ、街の至る所にいる可愛い地蔵の姿が流れ、やがて線香の煙の向こうに小さなお墓が見え、鈴がなって物語が始まり、そして終わる。
・汚れなき悪戯
https://goo.gl/Yp21DM
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