第3部は、他の編から独立していて、直接関係を持たない。強いて言えば、同じ土地で別の人々の物語。だけど、起こる出来事は、第三者の立場から見ると関連していているように見える。それが、神の摂理(Divine Providence)と言うものだろうか?
- イエス:伊佐治(いさじ)
- 代理の庄で二十代前半の若者。所帯持ちで、最近、女の子が生まれたばかり。
父親が庄屋を引退して、長男が跡を継いで庄屋をしていたが、流行り病で急逝したので、急遽庄屋となったが、まだ見習い中。
そもそも、庄屋を継ぐつもりが無かったので、学問で身を立て村に貢献するつもりだった。 - シモン・ペテロ:巌太郎(いわたろう)
- 伊佐治の隣村の庄屋。老練なことで有名だった。若い伊佐治を我らの見習うべき”師”として引き立てていた。
伊佐治が捕らえらえると、代官屋敷に潜り込み救出を試みるが、代官の下女に見つかり逃げる。
伊佐治が処刑されてしまうと、やっと何を主眼に訴えていた気づく。 - ゼベダイの子ヤコブ:三尺(さんじゃく)
- この名前は、あだ名。
農民だが、岩木川の川漁師もやっている。 - ヨハネ:修庵(しゅうあん)
- 農民の子として生まれたが、学問に興味を持ったことから寺に預けられていた。
伊佐治の弟分に当たる幼馴染で、村の一大事に寺を抜け出して、駆けつけていた。 - アンデレ:安次郎(やすじろう)
- 巌太郎の弟。気さくな若者で、顔が広い。
- フィリポ:強力(ごうりき)
- この名前は、あだ名。
村や藩の作事に借り出される大男の威丈夫。 - バルトロマイ:兼子(かねこ)
- 藩士による農村復興事業に従事していた。武士の面子が邪魔して、農作業に本気で取り組んでいなかった。
- マタイ:午平(ごへい)
- 代官所に出仕していて、年貢を集める役についている。
村人の嫌われ者。 - トマス:数馬(かずま)
- 藩士による農村復興事業に従事していた。藩士の三男であり、家督の相続が望み薄なので、新田開発で知行地を得ようと目論んでいた。
農業に関して知識が無いので、猜疑心の塊となっていた。
伊佐治の死後、共同体としての農村のあり方に気づく。 - アルファイの子ヤコブ:八十治(やそじ)
- 母親同士が姉妹でったので、伊佐治の従弟になる。
- タダイ:多田(ただ)
- 先祖は、戦国時代の鉄砲隊の隊長だったが、戦に破れて津軽に流れ着いて、湯段村で代々猟師と湯守をやっている。
山間僻地に暮らしているので、年貢を米ではなく、炭で納めたいと伊佐治に相談していた。 - 熱心者のシモン:西門(にしかど)
- 藩政改革派の急先鋒。土堂村の半地下になった牢に幽閉謹慎の身になっていた。
- イスカリオテのユダ:碇村の重太郎(いかりむらのじゅうたろう)
- 伊佐治の支援者にして、活動の下働きを担っていた。
伊佐治を助けたい一心から、役人に伊佐治の保護を求めるが裏切られる。失意のうちに首をくくる。 - バラバ:弥三郎
- 伊佐治と共に捕らえられるが、弥三郎は年貢の減免を全面に出し、民衆には大いに人気があった。
恩赦で開放されるが、伊佐治の訴えが後に正しいことを知る。 - 百人隊長:本多東作久貞(ほんだとうさくひさただ)
- 伊佐治の訴えが正しいことを知る。
後に子孫が牧師になる。 - 村医者:澤野順庵(さわのじゅんあん)
- 農民として暮らしながら、地域医療に取り組む。
伊佐治の事跡を書き留める。
とにかく子沢山。人だけでなく、農耕に使う牛馬や犬や猫までも、治療する。 - ピラト:中田長助(なかたちょうすけ)
- 伊佐治が集会を開いた村の代官。
- ヘロデ王:津軽寧親(つがるやすちか)
- 伊佐治が主導した一揆の際の藩主。良き意見には、身分のわけ隔てなく耳を傾ける。
伊佐治の助命を許可するが、間に合わなかった。
これで、色々なエピソード書けると、いいな(^^;)/
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